チームスクラム練習会について

第7話 太鼓馬鹿 万歳!

2月8日(日)、この日開催予定だった「100人太鼓」は、大雪のため試合が延期となり、100人太鼓の演奏は中止となりました。
しかし、この時自発的突発的に行った「場外ステージのゲリラ演奏会」によって「和太鼓の力」を見せつけることができました。

目次

【2月7日午後】

100人太鼓が前日に迫った27日(土)、柏の葉公園の天気予報が急転しました。

2月6日までは8日(日)の天気は曇り予想だったのですが、7日夜から雪が降り始め、8日の昼頃に雪のピークを迎える、との予報に変わりました。関東平野でも積雪5cmの予想。

この予報を受け埼玉県から参加予定だった北本あずま太鼓17名が参加を見合わせることとなりました。

7日午後は、積雪覚悟で太鼓の位置決め(バミリ)を行い、看板作りを行いました。53台の太鼓とPAセットを積んだ日本太鼓協会のトラックは、予定を一日早めて7日中に柏の葉公園に移動しました。
ノーマルタイヤで移動可能なうちに個人で持ち込む太鼓も7日中に移動を済ませました。

【2月8日朝】

28日(日)いよいよ100人太鼓の演奏当日となりました。朝530分、すでにうっすらと積雪がありましたが、まだ路面の積雪には至っていない模様です。

7時過ぎ柏の葉公園総合競技場に到着、NECグリーンロケッツ東葛に挨拶に行ったところ、キックオフを一時間遅くすることを検討している、とのことでした。事務室の窓の外のピッチはすでに一面の雪景色。雪の勢いは徐々に増してきているようでした。

830分頃から演奏者が徐々に集まり始め、雪の中チームや個人が持ち込んだ太鼓の積み下ろしが始まりました。トラックから積み下ろした太鼓を屋根がある場所に退避、昨日までに用意しておいたビニール袋を被せました。この時点で9時開始のリハーサルは、降雪がひどく日本太鼓協会からのレンタル太鼓の積み下ろしは不可、定刻通りの開催は困難でした。

9時過ぎ、リハーサルを1時間延伸させる判定をしたころ「本日の試合は中止の可能性がある」とGR東葛の運営スタッフから連絡がありました。スタジアムに太鼓を置くことができないため、演奏者全員が控室に入って状況を待つこととしました。

930分からチームスクラムチケットセンターをオープンする予定でしたが、メインゲートも開いていません。関係者・招待者のチケットをお渡しすることもできず、呆然と空を見上げるだけでした。

ピッチを見ると運営スタッフが総出で雪かきをしています。しかし雪の勢いは止まらず、徐々に雪かきをする人たちがピッチから撤収を始めました。

【2月8日 10時】

10時になりました。本来ならば、場外ステージで演奏を開始する時刻です。このとき、参加者のひとりから提案がありました。

「せっかくみんなが集まったのだから、雪でも出せる太鼓を集めて、演奏できる人があつまって太鼓の演奏をさせて欲しい」

その時は、何もできない状況を何とか打開したく「とりあえずOK」の気持ちで演奏準備に入ってもらいました。
その頃は和太鼓演奏が困難な大雪でしたが、演奏者はやる気まんまんでした。エネルギーを持て余したのか、一部の演奏者は控室から外に出て雪合戦をしていました。

【10時30分~試合中止の決定】

その様子を見て、私はGR東葛スタッフに「何とかスタジアムで演奏させてほしい」と申し入れしたところ「これから審判がピッチの状態を見て本日のゲーム可否の判定を行うので、もう少し待って欲しい」との回答。スタジアム演奏の可否を確認するため、GR東葛の事務室に入りました。直後「本日の試合中止、承知しました」との声が聞こえ、本日の試合がなくなったことを知りました。何もできないまま、半年かけて準備してきた100人太鼓が中止となったことに、残念を通り越して絶望的な気持ちになりました。

事務室を出たときでした。場外ステージから太鼓の音がズンズンと響いてきました。

その瞬間、突如勇気が沸き上がり、「来たからには演奏をしなければならない」と即時にスイッチが切り替わりました。

控室で待機していた演奏者に「今日の試合は中止になったが、場外ステージの演奏はやろう」と声を掛け、ビニール袋を被せて外に出せる太鼓はすべて出して場外ステージまで移動しました。

【場外ステージ】

場外ステージは、すでに演奏開始後30分が経っていました。

イベントフェンスの向こうでは、たくさんのお客さんが演奏を見ています。スタジアムは一面の銀世界。予報どおり積雪はピークを迎えていました。

場外ステージでは、すでに山呼、ヨーソロー、リアン、うねりなどの演奏を終えていました。

場外ステージで演奏していた仲間たちは、スタジアムで演奏するはずだった「春風」と「スクラムZ」の演奏を待っていたのです。

まず春風を演奏しました。

演奏できる人が総出でステージに上がりました。20人近かったのではないでしょうか。春風の構成としては最大規模の演奏です。春風とは程遠い雪の中の演奏でしたが、お客さんから拍手喝采を頂きました。

続いてスクラムZの演奏。

ステージに出ている太鼓は20台余りのところ演奏者は60名を超えています。このため、スクラムZは出演者を4回に分けて演奏しました。2月8日のブチアゲ太鼓祭りのスクラムZは、この日のためのスペシャルバージョン。GR東葛のチームアンセム「All on Board」を演奏者全員で斉唱、直後スクラムZの演奏に入ります。
この演奏のために半年かけて練習を続けてきたチームスクラムのメンバーは、ここでようやく思いを果たすことが出来ました。

【和太鼓の力】


今回の場外ステージは、和太鼓演奏に賭けるみんなの情熱が集結し、自発的に実現したものでした。大雪の中、太鼓へのダメージも顧みず、ご来場のお客さんに楽しんでもらうため、演奏者の太鼓魂が事業主(GR東葛)やお客さんを動かしたのです。まさに「太鼓馬鹿」にしかできない離れ業でした。

遠くから私達の演奏を聞いていたGR東葛の辻さんは「雪の中の太鼓はいいですね」と感慨深くお話してくださいました。イベントフェンスの向こうで様子を見ていたGR東葛の浅野さんは「お客さんが『試合は中止になったが、雪の中の和太鼓演奏を見ることができてとても良かった』と話していました」と声を掛けてくださいました。

今更ながら太鼓のチカラに驚きました。廊下に響いた太鼓の音が、失意の私を一瞬にして回復させてくれました。チケットセンターがオープンしない間、試合を不安そうに待っていたお客さんに、元気を届けました。そして試合の延期が決まった時、GR東葛の運営スタッフに届いた太鼓の響きは、「次はやるぞ!」という励ましの響として届いたことでしょう。

そうです。今回の試合は「中止」でなく「延期」なのです。日程は未定ですが、春になってからリベンジの機会が到来します。
次こそは更にパワーアップして皆様の前で魂の演奏を披露したいと思います。太鼓馬鹿、万歳!

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