第2話「なぜ意識の壁ができるのか」に続き「チームスクラムの取り組み」では、
チームスクラムの成り立ち、活動内容、今後の展望について紹介します。

【チームスクラムとは】

チームスクラムは2023年8月、一般財団法人日本太鼓協会公認指導員(東支部)が中心となり、一緒に「スクラムZ」を演奏したメンバーの提案でグループLINEを立ち上げたのがはじまりです。
チームスクラムは、ラグビーの応援歌「スクラムZ」の演奏で賛同したチームや個人の集まりです。
一般的な創作和太鼓チームと異なり、出す演目は「スクラムZ」のみ。
スクラムZを演奏したい方であればチーム・個人を問わずどなたでも参加できます。
演奏ステージはラグビー公式戦が開催されるスタジアムです。その時に集まったメンバーで出来る曲を公式戦のアトラクションで演奏することもあります。
ジャパンラグビーリーグ1が開幕する12月から、リーグ優勝決定戦やリーグ入替戦が行われる翌年5月までがオンシーズン。
オフシーズン(6月~11月)は、参加メンバーの活動拠点のお祭りへの参加や、新たなメンバーを誘いながら練習会を行い、スクラムZの普及活動を行っています。
チームスクラム発足当初は賛同チーム2チーム、個人参加をあわせて15人程度でしたが、2025年10月現在で、7チームが参加し、賛同者はようやく100人を超えました。
千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県からチームが参加し、個人では茨城県や栃木県からも参加しています。
【スクラムZとは】

スクラムZは2022年11月末、ジャパンラグビーの応援歌として作曲しました。
応援歌なのですが、歌詞らしい歌詞はほとんどありません。曲の中盤で登場する「ソヤッ!ソヤッ!」という掛け声くらいです。
そのかわり、ラグビーのプレーを太鼓のリズムと振りで表現しました。
お客さんは、演奏をとおしてラグビーを観戦するような迫力を体験し、演奏者には「ラグビーを戦う気持ちで演奏する」ことを求めています。
そして、演奏者と観客、事業者、大会に関わる全ての人がラグビーの応援で「ワンチーム」になります。
スクラムZのライバルはニュージーランド代表オールブラックスの「ハカ」です。

画像引用:AI生成
ハカは先住民マオリの伝統的な踊りで、儀式や戦闘に臨む際に披露されます。
一族が団体で行うハカは、部族の強さと結束力を表現しています。
ラグビーの試合を目前にニュージーランド代表オールブラックスが行うハカの迫力は圧倒的です。
対するジャパンラグビーは伝統の和太鼓を使い、新しいコンセプトの創作和太鼓「スクラムZ」で「ハカ」に対抗します。
「スクラムZ」は、ラグビーファンの心を一つにまとめ、勇気・団結・誇りといったラグビーの精神を体現するジャパンラグビーのアンセム(代表曲)を目指します。
ジャパンラグビーは2024年世界ランキングで13位。2027年オーストラリアで開催されるラグビーワールドカップに向けて、スクラムZはジャパンラグビーと共に、更なる高みを目指していきます。
NECグリーンロケッツ東葛のホストゲーム(柏の葉公園総合競技場)で4回スクラムZの演奏機会を頂き、いずれも勝利しました。
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№ |
試合日 |
対戦相手 |
スコア |
演奏者 |
勝敗 |
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1 |
2024/3/24 |
豊田自動織機シャトルズ愛知 |
42-26 |
37名 |
〇 |
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2 |
2025/1/11 |
日野レッドドルフィンズ |
56-19 |
30名 |
〇 |
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3 |
2025/3/1 |
九州キューデンヴォルテックス |
48- 7 |
25名 |
〇 |
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4 |
2025/5/11 |
大阪レッドハリケーンズ |
69-17 |
23名 |
〇 |
会場で観戦してくださったお客さんから「応援に一体感が生まれ、会場がひとつになった」とのご意見・評価を多数頂きました(NECグリーンロケッツ東葛スタッフ談)。
お客さんの中には「またスクラムZを聞いて元気をもらいたい!」と試合後わざわざ私に会いに来た方もいらっしゃいました。

2025年8月22日、「NECは、ジャパンラグビーリーグワン2025-2026シーズン終了後のリーグワン退会を前提に、運営するラグビーチーム『NECグリーンロケッツ東葛』の譲渡に向けた検討を開始しました。」との報道があり、日本ラグビー界に激震が走りました。
しかし私達チームスクラムは2025-2026シーズン、ジャパンラグビーのアンセムを目指す起点として、
2026年2月8日(日)、過去最大規模の演奏者を集めて柏の葉公園総合競技場で演奏します。
スクラムZは100人規模の演奏で本来の曲のパフォーマンスが発揮できるように作曲しました。
作曲して3年余で、ようやく本来のスクラムZの姿をお客さんに披露することとなります。
2025-2026シーズン後半は、全国展開に向けた活動を具体化します。
現在、釜石シーウェイブスと東北地方の公式戦でスクラムZを演奏する計画を進めています。
また、大阪万博により和太鼓普及の機運が高まっている大阪でも演奏実現に向けて活動を進めます。
このように演奏ステージが全国のスタジアムに広がってきています。
あとは和太鼓演奏者がこの話に賛同できるか否か。
それは和太鼓チームや演奏者個人が「意識の壁」を超えるか否かにかかっています。

